例の女の子は、すぐ戻ってきた。肉の代金を支払い、バイオリンを受け取って帰ろうとした。
「ねえ、そのバイオリン、4おじさんに売ってくれないかね。あまりよいバイオリンじゃないけれど、うちの子もバイオリンをこれから始めるので一つ欲しいんだよ」
女の子が、しぶしぶうってもよいと言う返事をしたとき、肉屋は「しめた。女の子をだました」と内心大喜びである。彼は5万フランでそのバイオリンを彼女から譲り受けることに、まんまと成功した。先ほどの紳士に、50万フランで売れば、45万フランの儲けだ。彼が喜んだのも当然だ。肉屋は、その女の子をだまして悪いと思ったのか、先ほどの肉の代金を返してやった。彼の良心が、子供をだますことをよしとしなかったのであろう。
肉屋は、紳士のやってくるのを待った。だが、その老紳士は翌日の9時になっても5やってこなかった。老紳士と女の子による計画的なサギであったのである。
サギにあう人たちの中には、この肉屋のように、一攫千金を夢みる、けちな人、欲の深い人が多い。こどもをだまして、45万フラン儲けようという“欲”が、物事を冷静に見る目を失わせてしまったのである。
注1欲:お金や物などを欲しがる気持ち
注2サギ:人をだまして、物やお金を手に入れること
問1①「これ」とは何か。
1500フラン
2買った肉
3バイオリン
4衣服
問2②「店の隅にたてかけてある」とあるが、だれがたてかけたのか。
1肉屋
2肉を買いに来た女の子
3老紳士
4肉屋の子
問3③「おゆずりしましょう」とあるが、だれがだれにゆずるのか。
1女の子が肉屋に
2肉屋が老紳士に
3女の子が老紳士に
4肉屋の子が老紳士に
問4④「おじさん」とはだれか。
1ストラデイバリウス
2肉屋
3女の子のおじさん
4老紳士






